説明
ノルトリプチリン(Nortriptyline)は、三環系抗うつ薬(TCA)の一種であり、長年にわたり臨床の現場で使用されてきた実績豊富な薬剤です。
薬理作用
ノルトリプチリンは主に ノルアドレナリン再取り込み阻害作用 を持ち、セロトニン再取り込み阻害作用も併せ持ちます。その結果、脳内のモノアミン濃度を改善し、抑うつ症状や意欲低下を改善します。
同系統の薬剤の中でも副作用プロファイルが比較的良好であり、忍容性が高いことが特徴とされています。
臨床的有用性
強力な抗うつ作用
SSRIやSNRIで十分な効果が得られない場合においても、ノルトリプチリンは有効例が報告されています。特に重度の抑うつ症例に対し、安定した治療効果を示すことがあります。
禁煙補助効果
海外の臨床試験において、ノルトリプチリンは禁煙成功率を有意に高めたことが示されています。日本国内では禁煙薬として承認はされていませんが、ニコチン依存症治療におけるオフラベル使用が研究対象となっています。
睡眠・食欲の改善
抑うつ状態で乱れがちな睡眠パターンや食欲に対しても効果が見られる場合があり、生活の質(QOL)の向上に寄与する可能性があります。
安全性・忍容性
三環系抗うつ薬に共通する抗コリン作用(口渇・便秘など)や起立性低血圧のリスクはありますが、ノルトリプチリンは同系統の中では比較的軽度とされ、高齢者にも比較的使いやすいTCAとして位置づけられています。

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